ようこそ「岩瀬文庫の世界」へ
1話3分、知の探検。
Iwase Bunko Library was established as a private library in Nishio city.
Yasuke Iwase, a wealthy merchant, used his own funds and opened IBL in 1908.
Please enjoy a glimpse of our movies and texts.

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都名所図会
天命6(1786)年版
秋里離島著・竹原信繁画

 京都の無名の俳諧師であったと思われる秋里籬島(あきさとりとう)が編集、竹原春朝斎(たけはらしゅんちょうさい)が挿絵を描いています。この都名所図会は名所図会として、最初に出版されたもので、人気を博し、これをきっかけに名所図会ブームとなり、同じような形態で続々と各地の名所図会が刊行されるようになります。この作品は安永9年、1780年に刊行されて以降、刷りを重ねたため、天明6年、1786年には版木を再度製作して出版したほどです。岩瀬文庫本はこの再板本(さいはんぼん)になります。
 この本は全六巻で構成されています。まずは京中心部を竜になぞらえて首と尾であわせて2巻、3巻以降は内裏を南面した場合の左、すなわち東側から順に天の四方を司る神である青龍、西側を白虎、南を朱雀、北を玄武とそれぞれの巻の冠に掲げています。有名なところでは、1巻では内裏など、2巻では建仁寺など、3巻は清水寺など東山周辺、4巻は嵐山や嵯峨野をはじめとする右京、5巻は宇治など南部を、6巻は賀茂神社など北山の様々な風景や風俗が描かれており、今も私たちが観光などで訪れる場所や祇園祭などの祭礼なども挿絵入りで描かれています。