異国落葉篭
嘉永7年
三木光斎/画
嘉永6年(1853)、江戸湾の浦賀(うらが)沖(おき)にアメリカの軍艦4隻が来航し、日本に開国と通商を迫った。いわゆる黒船事件。翌7年には幕府との間に日米和親条約が締結、日本は開国し、以後、幕藩体制の崩壊、明治維新へと激動の時代を歩むことは皆さんご存知のとおり。
本書は7年の黒船の再来の様子を伝えるもので、アメリカ合衆国の説明や地図、蒸気船の図、対する日本の海岸防備体制、大統領から日本に宛てた親書(しんしょ)の全文和訳などが紹介されています。当時、このような出版物を通して、一般人もさまざまな情報を得ていたことがわかります。
一方で、「提督ペルリ」ら使節の肖像画、兵士の服装や楽隊の楽器、アメリカから日本へ贈られた蒸気機関車の模型、望遠鏡、異国の鳥、植物などが浮世絵師、三木光斎によって美しく描かれ、珍しい異国文化への強い興味や憧れのようなものも見て取れます。