紅毛雑話
天明7年刊
森島中良
この本は蘭学者でありまた、戯作者としても知られている森島中良によって記されました。中良は将軍の侍医であった桂川甫周国瑞(かつらがわほしゅうくにあきら)の弟で、この甫周から学んだ蘭学や、毎春参府するオランダ人から見聞きした様々な西洋の情報を元に執筆しています。
中の挿絵には、オランダの博物学者ヨンストンの著した『動物誌』の中のライオン図や同じくオランダのスワンメルダムの『昆虫譜』に描かれた蚊の図などを書き写したものもあります。
当時、自分ではなかなか見ることのない様々な文物や西洋の風俗について著されており、当時の学者たちの西洋への関心の高さや知識を知ることができます。